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さらば、わが愛 覇王別姫

1993年に公開され世界的にヒットした陳凱歌監督の代表作が30年を経て2023年に4Kレストア版として再公開、往年のファンを喜ばせた。未曾有の動乱が続いた近代中国を舞台に、京劇「覇王別姫」を当たり役とする人気役者たちの波乱の生きざまが、絢爛に描かれる。女形の程蝶衣を当時、人気絶頂期にあったレスリー・チャンが熱演。
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大いなる自由 / Great Freedom

男性同性愛を禁ずる刑法175条によってナチスドイツの強制収容所送りとなり、戦後も繰り返し同じ罪状で投獄されるハンス。殺人の罪を犯して長年に及ぶ懲役刑を受けているヴィクトール。二人は、1945年、1957年、1968年という3つの時代をまたぎながら、強固な信頼関係で結ばれていく。人間にとっての本来の自由とは何か、究極の自由とは何かという問いをつきつける。鮮烈かつ重厚な人間ドラマ。
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アフターサン/after sun

離ればなれで暮らす父と娘が、二人きりで過ごす夏のバカンス。その数日間を記録したホームビデオの映像を、大人になった娘が再生していくと、当時は気づかなかった父の痛ましい秘密が少しずつ浮き彫りになっていく・・・・・・。本作が長編初監督作品というシャーロット・ウェルズ監督の、繊細でしたたかなストーリーテリングと映像表現を堪能するために、二度見必須の映画。
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TAR /ター

クラシック音楽界の頂点を極めた女性指揮者リディア・ターの栄光が、とある告発をきっかけに、脆くも瓦解していく。果たしてそこには陰謀があるのか、誰かの裏切りなのか、それともすべては彼女の野心と慢心が引き起こしたことなのか。才能にあふれた野心的音楽家が、次第に疑心暗鬼の中で “闇”に堕ちていく姿を、ケイト・ブランシェットが入魂の演技で魅せる。
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エゴイスト / EGOIST

東京でファッション雑誌の仕事を持ちゲイライフを謳歌している浩輔。母子家庭に育ち、いまは病気がちの母親の面倒をみながら健気に生きている青年・龍太。惹かれあい、求めあいながらも、与える者と与えられる者の不均衡が二人のあいだに亀裂をもたらし、やがて過酷な巡りあわせが訪れる。これはファンタジックなBL映画なんかじゃない。
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パワー・オブ・ザ・ドッグ/The Power of the Dog

1920年代のアメリカ西部で、大規模な牧場経営に勤しむ兄弟と、町で食堂を営む母とその息子が繰り広げる四つ巴の葛藤と支配と愛憎のドラマ。旧態依然としたマチスモ(男性優位主義)が、ノスタルジーと時代変化のはざまで脆く壊れていくようすを、ひりひりする心理劇によって冷徹に描ききる。
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皮膚を売った男/The Man Who Sold His Skin

難民となって祖国を追われた男が、恋人と会いたい一心で、気鋭の芸術家からの“メフィスト”的な申し出を受け入れる。それは大金とともに“移動の自由”を得る代わりに、背中の皮膚を売ること、すなわち芸術家の手によるタトゥーを彫ることでアート作品となることだった。難民や人権や格差といった難題を下敷きにし、さらに現代アートの巧妙な錬金術をも俎上にのせつつ、緻密な映像と飄逸なストーリー展開で魅せるユニークな作品。
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ふたりの女王 メアリーとエリザベス/Mary Queen of Scots

16世紀、王位継承問題と宗教対立に揺れるイギリスで、宿命的なライバルとして対峙しあったスコットランド女王メアリー・スチュアートとイングランド女王エリザベス1世の生き様を、フィクションを混ぜつつ描く歴史絵巻。男たちの権力欲にとりまかれ、容赦のない謀略にまみれながらも、それぞれの矜持を貫いていく二人の女王の姿が、痛々しくもあっぱれ。シアーシャ・ローナンとシアーシャ・ローナンの「動」と「静」の演技合戦も見もの。
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トーベ/TOVE

日本でもいまなお大人気のムーミンの「生みの親」、トーベ・ヤンソン。フィンランドが見舞われた苛酷な戦争の時代を生き抜き、創作においても恋愛関係においても「自由」を求めつづけ、ついに世界的作家となるにいたったその型破りな生き様を、女性監督ならではの共感を込めて、繊細に、チャーミングに描く。
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アンモナイトの目覚め/Ammonite

19世紀のイギリスで化石発掘家として数々の発見を成し遂げたメアリー・アニングの生き様を、史実とフィクションを混ぜながら描く異色作。年齢差と階級差を超えて激しい恋に落ちる女性同士の濃密な関係と葛藤を体当たりで演じる、ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンの演技格闘技も見どころ。