女と女の映画

女と女の映画

トムボーイ/Tomboy

一夏だけ、男子になった少女の、ちょっとスリリングで、ちょっとほろ苦い冒険譚。これは何者でもない存在の自由を少しずつ失って、何者かである存在の責任に取り巻かれている「おとな」たちへの心優しい挑戦状だ。「燃ゆる女の肖像」で世界的評価を得たセリーヌ・シアマ監督が2011年にリリースした、長編2作目。
ドラマ

ふたりの女王 メアリーとエリザベス/Mary Queen of Scots

16世紀、王位継承問題と宗教対立に揺れるイギリスで、宿命的なライバルとして対峙しあったスコットランド女王メアリー・スチュアートとイングランド女王エリザベス1世の生き様を、フィクションを混ぜつつ描く歴史絵巻。男たちの権力欲にとりまかれ、容赦のない謀略にまみれながらも、それぞれの矜持を貫いていく二人の女王の姿が、痛々しくもあっぱれ。シアーシャ・ローナンとシアーシャ・ローナンの「動」と「静」の演技合戦も見もの。
ドラマ

トーベ/TOVE

日本でもいまなお大人気のムーミンの「生みの親」、トーベ・ヤンソン。フィンランドが見舞われた苛酷な戦争の時代を生き抜き、創作においても恋愛関係においても「自由」を求めつづけ、ついに世界的作家となるにいたったその型破りな生き様を、女性監督ならではの共感を込めて、繊細に、チャーミングに描く。
ドラマ

アンモナイトの目覚め/Ammonite

19世紀のイギリスで化石発掘家として数々の発見を成し遂げたメアリー・アニングの生き様を、史実とフィクションを混ぜながら描く異色作。年齢差と階級差を超えて激しい恋に落ちる女性同士の濃密な関係と葛藤を体当たりで演じる、ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンの演技格闘技も見どころ。
ロマンス

燃ゆる女の肖像/Portrait of a Lady on Fire

結婚においても職業においても圧倒的な男性優位の社会のなかで、女性同士が互いの知性と感性を認め合い、共感に満ちた時間を熱く、静かに交換しあう姿に魅了される。「こんなロマンスをこそ待ち望んでいた」と言いたくなるような、愛着の一本。