ドラマ

トーベ/TOVE

日本でもいまなお大人気のムーミンの「生みの親」、トーベ・ヤンソン。フィンランドが見舞われた苛酷な戦争の時代を生き抜き、創作においても恋愛関係においても「自由」を求めつづけ、ついに世界的作家となるにいたったその型破りな生き様を、女性監督ならではの共感を込めて、繊細に、チャーミングに描く。
アートな映画

サスペリア/SUSPIRIA

今なお“恐怖映画”の金字塔と呼ばれる「サスペリア」を、「君の名前で僕を呼んで」で世界的評価を獲得したルカ・グァダニーノ監督がリメイク。舞台をオリジナルが公開された1977年のベルリンに設定しなおし、魔女たちの儀式や狂宴というおぞましいオリジナルの世界観を換骨奪胎、深淵で重層的なグァダニーノ的映画美に昇華した異色の傑作。
ロマンス

Summer of 85

1985年、フランス・ノルマンディーの海辺の町を舞台に繰り広げられる、美しき青年たちのたった一夏の恋。十代の多感な青年が放つ狂おしいほどの恋情とともに、未熟さがもたらす残酷なすれ違いを、名匠の呼び声の高いフランソワ・オゾン監督が甘く切なく、みずみずしく描く。
ドラマ

アンモナイトの目覚め/Ammonite

19世紀のイギリスで化石発掘家として数々の発見を成し遂げたメアリー・アニングの生き様を、史実とフィクションを混ぜながら描く異色作。年齢差と階級差を超えて激しい恋に落ちる女性同士の濃密な関係と葛藤を体当たりで演じる、ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンの演技格闘技も見どころ。
ロマンス

燃ゆる女の肖像/Portrait of a Lady on Fire

結婚においても職業においても圧倒的な男性優位の社会のなかで、女性同士が互いの知性と感性を認め合い、共感に満ちた時間を熱く、静かに交換しあう姿に魅了される。「こんなロマンスをこそ待ち望んでいた」と言いたくなるような、愛着の一本。
ドラマ

ジャコメッティ 最後の肖像/Final Portrait

アメリカ人美術評論家のジェイムズ・ロードの体験記をもとに、天才アーティスト・ジャコメッティの創造の秘密に、洒脱に、ユーモラスに迫る。画家とモデルのあいだでかわされる心理合戦をジェフリー・ラッシュとアーミー・ハマーが熱演。
ロマンス

君の名前で僕を呼んで/Call Me By Your Name

北イタリアの別荘で両親とともに一夏を過ごしていたエリオは、音楽の才能に恵まれた多感な17歳。父が招いた24歳の考古学研究者オリヴァーへの反発まじりの好奇心が、やがて焦がれるような恋心になっていく。二人の美しい青年たちが恋の冒険に身を投じていく姿が、青空のようにすがすがしく、みずみずしく、せつなく描かれる。
ロマンス

スーパーノヴァ/supernova

長いあいだ特別な関係で結ばれ、互いを支えあってきたピアニストと作家のゲイカップル。ひとりが徐々に記憶を失っていく病に冒されてしまったことから、命と愛の選択をめぐる葛藤が二人を追い込んでいくーーー。私生活でも親友同士らしいコリン・ファースとスタンリー・トゥッチが、なんとも愛らしくせつなく、深い人間味を感じさせる名演を見せてくれます。